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学位論文・進路

修士論文

平成30年度

国際関係分野

  • 英国における移民問題の安全保障化―2016年6月レファレンダムに至る過程のディスコース分析―
  • 民主政と政党のあり方―カナダの政党を事例に―
  • 海外における事業展開と「人」の現地化に関する文化人類学的研究―ミャンマーの日系人材育成企業を事例に―
  • 米国の対キューバ経済制裁―アイゼンハワー政権の制裁発動をめぐる政策決定過程分析―
  • 国際協力が生み出すストリートチルドレン―フィリピン・ゼブ島における日系NGOの支援活動の事例から
  • 権威主義体制における公共圏―Weiboを事例として―

社会学分野

  • 性暴力被害について語ることに関する社会学的研究―当事者手記の分析から―
  • 意思決定過程における規範的秩序
  • 延命医療言説の変遷に関する社会学的研究~胃ろうの大衆化とその批判的言説を例に~
  • 部活動を通した教師の社会化―顧問教師への聞き取りを手掛かりにして―
  • オンラインゲームのプレイヤー間の人間関係―中国におけるMMORPGを事例として―
  • 中国におけるパラサイト・シングルの形成要因に関する研究―中国大慶市出身の若者のライフコースから―

平成29年度

国際関係分野

  • 伝統文化の地域資源化による「つながり」の創造—常陸大宮市西塩子の回り舞台の「復活」をめぐる事例より—
  • 留学経験の言語化とキャリアディベロップメント—在豪日本人留学生の事例から—
  • 災害経験・記憶伝承の場における境界設定と脱構築の可能性—東日本大震災後の宮城県石巻市での震災伝承の実践から—
  • 現代日本におけるニューカマーのエスニック・アイデンティティ—高等教育を経た第二世代による語りを中心に—
  • 北海道における北方領土「4島返還」論の形成過程
  • 南シナ海領域問題における行動規範策定作業—2016年大統領選後のフィリピンの変節を中心に—
  • A comparative analysis of the role of government in the development of the film industry in Ghana and in Senegal since independence
  • What Ails the Microfinance Institutions in Ghana?

社会学分野

  • 「大人」と「子ども」の境界をめぐる表象の社会学 女性・ティーン向けファッション雑誌の分析から
  • 韓国の少年非行における学業負担仮説の再検討
  • 進路としての防衛大学校—進学要因の政軍関係論的意義を焦点に—
  • 犯罪者手記と動機の語彙 「本当の動機」を問い直し続ける二つの事例から
  • 学校ダンス教育にみる体育教師の身体—体育教師ライフヒストリーを手掛かりにして—
  • 立身出世主義の中国にみる「素質教育」の課題—大連市の高校における「社団」の調査を通して
  • 地方自治体における子育て支援住宅政策の展開—茨城県大子町を事例として—
  • 女医の歴史社会学—戦前における女医の啓蒙活動を中心に—
  • 学校給食の歴史社会学—近代日本における<集団的な食生活>への問い
  • 日本における農業実習経験の意味づけ~新世代農民工出身の中国人技能実習生の社会移動からの考察を中心に~

平成28年度

国際関係分野

  • 海賊対策における国際協力と日本
  • 「核常兼備」の解明から見える中国の核抑止−人民解放軍軍人の「欺瞞」と「牽制」−
  • 訪日中国人観光客の観光形態についての研究-北海道を訪れる中国人観光客を中心として-
  • An Analysis of the Efforts of the United States-Nigeria Binational Commission towards Achieving Peace and Stability in the Niger Delta Region
    (ニジェール・デルタ地方の平和と安定を達成するための米国ナイジェリア二国委員会による努力の分析)
  • 環境問題による地域住民の意識変化および共有資源管理への考察-北京におけるPM2.5の事例を中心に

社会学分野

  • School-based Curriculumを通じた教育NPOと学校の相互作用―JA中国を事例にして―
  • 芸術を通して開かれる公共性への可能性―中央線沿線における都市型アートプロジェクト・TERATOTERAを事例として―
  • 自己啓発の吸引力――就職活動における学生の語りから
  • 被爆者ではない語り部はどう語ればよいか−平和活動に携わる非体験世代の技法と工夫
  • 抗日戦争映画の新局面−現代中国社会と「南京!南京!」

平成27年度

国際関係分野

  • 都市農村交流と地域住民の主体性の生成と変化―山口県長門市俵山地区の実践から―
  • フットパスを活用した持続可能な地域づくりの展開―熊本県下益城郡美里町の事例を中心として―
  • NGOのビジネス展開におけるパートナーシップと社会的役割
  • The Impact of Oil Multinational Corporations on Security in the Niger Delta Region of Nigeria
    (ナイジェリアのナイジャデルタ地域における石油多国籍企業の安全保障上の影響)
  • Performance, Emotion and Imagination – Pop Music’s Emergence and Mixture with Patriotism Ballads in Mainland China-
    (パフォーマンス、感情とイマジネーション―中国大陸におけるポップミュージックの出現及び愛国歌謡曲との融合―)
  • Destruction of States: A Comparison of Cases in British West Africa
    (国家の崩壊―旧英領西アフリカにおける事例の比較)
  • 日本のアニメや漫画から見る中国若者のダブルスタンダード―ステレオタイプの理論を踏まえて―
  • 中国の「耽美」文化に関する研究―中国の腐女子の生態とその社会における影響を中心に

社会学分野

  • 刑事司法における世論の制度化―近代日本の死刑存廃論争
  • スピリチュアル本による自己変容の諸様式
  • 地域で生きること地域を守ることのリアリティ―岩手県宮古市における消防団の文化的標準―
  • 中国社会における医師と患者の関係について
  • 工業化された農村における「農作業」の意味―紹興地域のX村を事例として―

平成26年度

国際関係分野

  • 「国際貢献」の軌跡―言説の変動をめぐる諸相―
  • 「もの」と地域性―山形県産日本酒が「地酒」になる過程を題材として
  • 沖縄の返還軍用地における集落の再構成―読谷村宇座の民族誌的研究
  • 社会開発プロジェクトの地域展開に関する民族誌的研究―バングラデシュ地方行政における参加型農村開発プロジェクトの事例から―

社会学分野

  • 日本の高校教育における生徒の包摂不可能性の顕在化と1970年代―『月刊生徒指導』に見られる教師の語りに注目して―
  • いじめ問題の新たな構築過程の考察~大津いじめ自殺事件における外部調査委員会の登場とその報告書に注目して~
  • 八幡製鉄『製鉄文化』に見る職場文学の誕生と変容
  • 戦犯裁判と日本人の「表象」―BC級戦犯をめぐる新聞報道の分析から―
  • 現代中国の「大学生村官」に関する社会学的考察―インタビュー調査を手がかりに―
  • 現代中国におけるネット・コミュニケーションの研究~人海検査に見られる話題のネタ化を中心にして~
  • 「幼女」の語られ方―中国現行刑法における「嫖宿幼女罪(幼女買春罪)」の解釈をめぐる法的言説と日常的言説
  • ソーシャルワーカーによる逸脱行動の原因構築―台湾における非行少年の家庭環境をめぐる解釈と介入

平成25年度

国際関係分野

  • 地球市民」という政治思想―戦後左翼思想の進化の過程を中心に―
  • 現代モロッコ王国におけるマイクロファイナンスの実践論理に関する人類学的研究
  • An Assessment of the Anti-Nuclear Movement in Post-3.11 Japan: from the Political Opportunity Structure Perspective
  • まちづくりにおける食の開発と地域資源としての活用 ―茨城県土浦市つちうら咖喱物語を事例として―
  • 国際政治理論と歴史の関係性に関する一考察:英国学派の国際社会論を事例として
  • 中国人による日本的花見の受容―日本の花見文化と比較する―
  • 日本の捕鯨政策をめぐる対米外交と内政 ―1982年の商業捕鯨モラトリアムへの対応と日米漁業交渉との相互連関―

社会学分野

  • 犯罪少年の家族に対する責任帰属の論理
  • 摂食障害はどのように語られてきたのか―新聞を中心とした通時的語りの考察―
  • 深圳市における外地人の帰属意識―都市ホワイトカラーの定着志向と流動志向からの考察
  • 歴女の間の活動から見る現代女性のコミュニケーション作法

平成24年度

国際関係分野

  • 中国の戸籍制度と都市部における二元構造の現状-寧波市における新世代農民工に基づく聞取り調査から-
  • 中国における区域経済一体化と地方ガバナンスの変容―湖南省長株潭都市群建設を事例に
  • 日本における王位-なぜ日本において王位が1400年以上も存続してきたのか-
  • 戦後アジア主義の軌跡―敗戦直後から1970年代までを中心に―
  • 欧州安全保障防衛政策の進展をめぐる調和と対立
  • An Interpretation to China’s Tough Stance in the Disputes regarding the Islands in South China Sea

社会学分野

  • 「在日としても」生きるために―出会いの<場>で作られるエスニシティの解読―
  • 「無垢な犯罪被害者」という制度―通り魔・爆破テロ記事に見る「被害者」カテゴリーの変容とその言説史
  • 地方都市における戦争の記憶とその展示―愛媛県松山市「坂の上の雲」フィールドミュージアムの事例から―
  • 小児Ⅰ型糖尿病者のライフヒストリー―隠しながら〈普通〉に生きる人々の生活実践―
  • 「性同一性障害」と大衆言説―「社会問題の社会学」の視角から―

博士論文

平成29年度

国際関係分野

  • 代表制の危機から市民参加の制度化へ―ペルーとベネズエラの政治変化にみる危機、アウトサイダー、市民参加―
  • Constructing Concordance in Chinese Civil-Military Relations: The Sources of Regime Stability and External Activism
  • A New Dynamism of Regionalism towards ASEAN Connectivity and Its Linkage with National and Local Development Projects:
    A Case Study of Indonesia

平成28年度

国際関係分野

  • 階層秩序の維持と創出に関する人類学的研究-ミクロネシア連邦ポーンペイ社会における首長制の事例から-

平成27年度

国際関係分野

  • Politics of Regulations of ICTs Telemedicine: Analysis of Rural Areas of Peru
    (ICTを利用した遠隔地医療政策の政治学―ペルー農村部の分析―)
  • Anti-Corruption Demands and Government’s Defense: The Case of Peru, 2000-2014
    (汚職防止の要請と政府の対応―ペルーの事例、2000-2014―)

社会学分野

  • ソフトウエア開発現場における自発的・没入的労働エスノメソドロジー―X社開発部門で働くエンジニアたちの語りから―

平成26年度

国際関係分野

  • Language Politics and State Policy in Nepal: A New Perspective

平成25年度

国際関係分野

  • Reimagining the Filipino Nation: Insights from the Filipino Diaspora Experience in East Asia

平成24年度

国際関係分野

  • アメリカにおける福祉国家再編の起源‐ニクソン政権の福祉改革を中心に‐

修了生の声

源島 穣(げんじま ゆたか)

平成31年3月に筑波大学大学院人文社会科学研究科国際公共政策専攻修了、博士(政治学)
現在、山形大学学術研究院人文社会科学部担当、講師

  1. 研究テーマ(大学院から現在にかけて)
    私はこれまで、イギリスの福祉政治を研究してきました。日本をふくむ先進諸国では、「ワーキング・プア」や「子どもの貧困」に見られるように、現金給付を中心とした福祉のみでは解決できない社会問題が顕在化しています。そこで私は、イギリスのブレア労働党政権を研究対象に選択しました。ブレア政権は現金給付中心の福祉から、政府と地域コミュニティの協働を基調とする福祉への転換に取り組んだため、今日的な社会問題の解決を考察する上で有意義であると考えたからです。博士論文では、実際にブレア政権がどのように政府と地域コミュニティの協働に取り組んだのかについて、失業、地域荒廃、教育格差をめぐる取組みを事例に分析しました。
  2. 研究者を志望した動機・理由
    私が中学生から高校生の頃、新自由主義的な改革が断行され、「格差社会」「勝ち組・負け組」が大きくクローズアップされていました。日本は豊かな先進国になったはずなのに、実際には貧困に苦しむ人がたくさんいる。それは他人事ではなく自分にも降りかかるかもしれない。しかもかつてのような右肩上がりの経済成長も期待できない…。こうした、先進国の貧困を現実的に解決するにはどうしたら良いかという問題意識が芽生えたことが、研究者を志すに至った理由です。
  3. 筑波大の国際公共政策専攻を選んだ理由
     イギリス労働党研究がご専門の近藤康史先生が所属されていたことが国際公共政策専攻を選んだ大きな理由ですが、それ以外にも実証的に政治学を研究される先生が多くいらっしゃった点にも惹かれました。この専攻で学べば、客観的かつ厳密な分析手法を学ぶことができ、実際に分析のトレーニングも受けることで、ブレア政権の福祉政治の長所・短所を明らかにできると考えたからです。
  4. 国際公共政策専攻で学んでよかったと思うところ
     特筆すべきは、指導体制だと思います。大学院生が研究者として独り立ちできるように、妥協のない指導を受けることができます。先生方には、どんなにお忙しくても、投稿論文や学位論文の草稿が真っ赤になるほど丁寧かつ的確な指導をしていただきました。このように、国際公共政策専攻では少人数教育を活かして、一人一人の院生の研究構想を理解した上で、そのゴール到達に必要な指導を行う体制が整っています。
     また、国際公共政策専攻は国際関係分野(政治学、国際関係論、人類学など)と社会学分野によって構成されますが、その異分野融合的な環境に所属することで貴重な経験を得ました。日々、異分野を専攻する院生仲間と交流を深めることで(研究室で夜通し議論したのも一度や二度ではありません)、分野ごとに異なる学問的魅力、あるいは同じ社会科学として探求すべき問いを共有できました。他分野の人にも理解してもらえるように分かりやすく自分の研究を説明することや、他分野の研究から得られる気づきが、自分の研究の相対化と深化に大きく役立ちました。こうした経験は他大学のように、学部の上に設置される研究科では得がたいものであったと思います。
     経済的支援の面では、ティーチングアシスタントを行うことで給与を得られましたし、授業料免除制度も利用できました。大学全体での開催ですが、日本学術振興会の特別研究員採用に向けた研修も充実していました。そのおかげで特別研究員に採用され、研究奨励費と研究費を支給されました。特別研究員に採用されることで、アルバイトをせずにイギリスでの現地調査や論文執筆に集中できました。

宮地 弘子(みやじ ひろこ)

平成27年10月に筑波大学大学院人文社会科学研究科国際公共政策専攻修了、博士(社会学)
現在、職業能力開発総合大学校能力開発院能力開発応用系、准教授

  1. 研究テーマ(大学院から現在にかけて)
     情報産業の労働と組織をめぐる問題を、質的調査と相互行為分析という切り口から研究してきました。特に関心を寄せてきたのが、自発的・没入的労働の問題です。制度的にみれば、人々が働き方を自律的にコントロールできることが保証されている現場で、誰に強制されたわけでもなく自らの健康や命までをも脅かすような働き方をしてしまう。なぜそのようなことが起こるのかを考えてきました。現在は、「低い低い」と決まり文句のようにいわれて久しい日本の情報産業の「生産性」が、なぜ・どのような意味で「低い」のかといった研究や、職業能力開発・職業訓練分野へのエスノメソドロジーの応用可能性といった研究にも取り組んでいます。
  2. 研究者を志望した動機・理由
     研究者を志望した原点は、私自身の職業経験にあります。技術者としての私は、1990年代の後半にパソコン向けのソフトウェア産業が急伸するなかで育ちました。残業・徹夜はあたりまえでしたが、当時は特に問題とは認識されていませんでした。そのような働き方は、2000年前後を分水嶺として、個人的にも企業や社会のレベルでも問題と認識されるようになっていきます。何がどのように問題なのか、実用書から学術書までさまざまな本に目を通しましたが、現場の目線からするとどうも納得がいきません。そもそも、目先の仕事に追われてゆっくりと考えを巡らせる時間もない状況です。一度現場から距離をとって「なぜ」を探求してみたいと考え、思い切って会社を退職し、研究の道を志しました。
  3. 筑波大の国際公共政策専攻を選んだ理由
     直接的なきっかけは、たまたま訪れた書店で好井裕明先生(現・日本大学教授)の『「あたりまえ」を疑う社会学』を目にしたことです。現場の人々は、働きすぎがよくないということは十分承知しています。「わかっているけどやめられない」のです。自発的・没入的労働を「あたりまえ」のこととして成立させている空気のような場=広い意味での社会に着目する考え方が、現場の技術者としての私自身の問題意識と合致し、当時好井先生が所属しておられた国際公共政策専攻の門をたたきました。また、せっかく会社を辞めてまで研究者を志したのですから、都心からほどよく離れた学園都市に立地する筑波大学であれば、落ち着いて研究に集中することができるのではないかと考えました。
  4. 国際公共政策専攻で学んでよかったと思うところ
     すべてを挙げることはできませんが、ここでは、「在学中から積極的に成果を発表する伝統」と「自律的探究の尊重」という2点を挙げたいと思います。入学して目にしたのは、論文や書籍の執筆、学会での発表など、在学中から積極的に成果を発表していかれる先輩方の姿です。その後ろ姿に背中を押されるようにして、私自身も遅々としてではありますが、たゆむことなく研究成果を蓄積していくことができました。また、先生方は、学生が自分自身の問題意識を突き詰め、何度も問い直し、自律的な探求を経て答えを導き出すよう辛抱強く指導をしてくださいました(「正解」を教えてしまったほうがある意味楽だと思うのですが)。このことは、私の研究の強みを自分自身の言葉で認識することにもつながりました。
     自律的探究とその成果の発表は研究者のごく基本的な営為ですが、その力を在学中にしっかりと培えたことが、修了後の活動の基盤になったと感じています。自分の研究の強みを認識したうえで教育・研究ポストへの応募活動に臨めたこと、そして、在学中から地道に成果を積み重ね、その意義を自分自身の言葉で説明できたことがポストへとつながり、今現在も研究を続けることができています。

柳 至 Yanagi Itaru

平成24年3月に筑波大学大学院人文社会科学研究科国際公共政策専攻修了、博士(政治学)
筑波大学人文社会系特任研究員などを経て、現在、琉球大学法文学部准教授

  1. 研究テーマ(大学院から現在にかけて)
     政策や組織の廃止がどのようにして起こるのかを研究しています。我が国は中央政府・地方政府ともに莫大な長期債務を抱えています。債務を減少させるためには、歳入の増加とともに既存の政策・組織の廃止という形で政府が提供していた公共サービスを縮小させて歳出を削減する必要があります。こうした廃止が実際にどのようにして行われているのかを我が国の地方自治体を対象に分析しています。
  2. 研究者を志望した動機・理由
     私が中学生から高校生のころにかけて、行政活動への疑念の声が高まる中、様々な行政改革が行われました。こうした中、行政活動を改善するためにはどのようにしたら良いのだろうかという漠然とした問題意識を持つようになりました。行政活動に関わる職業には様々なものがありますが、客観的な立場から行政活動を分析できる研究者を志望するようになりました。
  3. 筑波大の国際公共政策専攻を選んだ理由
     充実した教授陣と複数回の入試に惹かれて国際公共政策専攻の前身である現代文化・公共政策専攻の一貫制博士課程に入学を志望しました。行政に関する学問分野には法学の観点からアプローチするものや政治学の観点からアプローチするものなどがあります。私は学部卒業間際になって政治学の観点からのアプローチに興味を持ったため、受験することができる政治学系の大学院は限られていたのですが、筑波大学では複数回の入試を行っており、受験が可能でした。また、行政学・地方自治論を専門とする伊藤修一郎先生(現学習院大学)や、多くの政治学系の先生方がいらっしゃったため入学を志望しました。入学後は充実した教育・研究環境に満足していたため、専攻改組の結果生まれた国際公共政策専攻の博士後期課程に進学しました。
  4. 国際公共政策専攻で学んでよかったと思うところ
     特筆すべき点は学生1人当たりの教員数の多さと面倒見の良さだと思います。大学院における授業は、時には教員1人に対して学生が1,2人というぜいたくな環境でした。研究指導は授業内だけではなく、授業外でも行われました。特に学外への研究成果の発表や博士論文執筆の際には、原稿用紙が真っ赤になるほど綿密な指導を複数の教員から受けることができました。
    大学院進学にあたっては経済的な問題もありますが、学内外での支援制度もありました。学内では、ティーチングアシスタントやリサーチアシスタントを行い、給与を得ることができましたし、授業料免除制度もありました。学外では、各種の民間奨学金を受けている学生も多くいました。また、個人的には日本学術振興会の特別研究員に採用され、研究奨励金や研究費を支給されたことが有難かったです。専攻でも特別研究員制度への応募が推奨され、多くの先輩が採用されていました。
    他専攻や他研究科の授業も自由に受けることができるカリキュラムであったこともよかったと思います。他専攻の先生が率いる研究プロジェクトに参加させてもらい、そこで新たな研究手法や視点を学ぶことができたのは自分の研究にとっての糧となりました。

修了生の進路

前期課程修了

平成30年度

  • 進学3名(本専攻博士後期課程、海外の大学院など)
  • 就職8名(公務員や民間企業など)
  • 就職活動1名

平成29年度

  • 進学5名(本専攻後期課程)
  • 就職12名(地方公務員や民間企業など)
  • 就職活動1名

平成28年度

  • 進学3名(本専攻後期課程)
  • 就職5名(地方公務員や民間企業など)
  • 就職活動1名
  • 帰国1名

平成27年度

  • 進学2名(本専攻後期課程)
  • 就職7名(地方公務員や民間企業など)
  • 就職活動4名

平成26年度

  • 進学6名(本専攻後期課程、京都大学大学院)
  • 就職5名(地方公務員や民間企業)
  • 就職活動3名

平成25年度

  • 進学4名(本専攻後期課程、東京大学、海外の大学の大学院)
  • 就職4名(独立行政法人や民間企業など)
  • 就職活動3名
  • 留年3名

平成24年度

  • 進学4名(本専攻後期課程)
  • 就職3名(高校教員や民間企業など)
  • 就職活動1名
  • 留年4名

後期課程修了(平成25~30年度修了)

  • 国立大学8名
  • 私立大学2名
  • 海外の大学2名

大学院人文社会科学研究科全体の進路動向は、筑波大学ホームページの次のリンク先をご覧ください。
https://www.tsukuba.ac.jp/campuslife/aftercollege.html